パソコンの初期設定は簡単か?

 結論から先に言おう。はっきり言って基礎知識のない人にはできない、難しい。簡単だと思った方は、まずやるべきことを殆どやっていない。販売業者は、「簡単ですから自分でやって下さい。できなければ、有料ですがすぐやりましょうか?」とくる。それが普通。判っている人間からはやさしい。それを鵜呑みにして購入、いざ、やってみると、電源を入れてOSを立ち上げるところまでは誰でもでもできる。さて、それ以降が問題で、さっぱり判らないというのが初心者の大多数である。

それでも自宅に戻り、プロバイダーに相談すれば、インターネットやメールの設定くらいは無料でなんとかなるものだ。彼らはその後末永く使ってもらえば、その程度のサービスはすぐに回収できるからである。ただ、訪問設定となると、5,000~10,000円余りは覚悟しなければならない。

ウイルスセキュリティソフトは、新規購入時に殆どのパソコンで3か月程度の試用期間を設けて付属しているので心配はない。自分でできないから面倒になって、そのまま使い続けてくれる弱いユーザーの足元を見ている。プロバイダーのサービスも同じような理由で、その後膨大な利益が期待される。セキュリティソフトも高性能を期待しなければ、いまは無料のソフトが巷にあふれているし、それでも業務用でない限り問題はない。私なんかは3か月を待たずパソコンを入手するや否やそんなものはアンインストールしてしまい、有料ではあるがOSのサポートが続く限り、維持管理費無料のソフトに入れ替えている。

 

初期設定についてもいろいろあり、概ね下記のように3つに分けて考えることができる。

① 全く新規で購入した場合の初期設定

 OSを立ち上げて、インターネット接続設定、メール設定、セキュリティ設定程度で大体の機能は使用できる。

その後は自分のスキルに合わせていろんなアプリケーションをインストールしながら、そのソフトの使い方を覚えつつ、使用して行く途中で自分の好みに合わせてカスタマイズすればよい。

② 2台目購入時の初期設定

この場合は、①の作業はと前であるが、2台目に移行したいのであれば、予め1台目(移行元)のデータをバックアップしておく必要がある。

例えば、ブラウザのお気に入りのエクスポート、メールアカウント、メールデータ、ソフトウエア等で作成したファイル、画像データ、動画や音声のデータ等々。

パソコン購入後に自分で購入・インストールしたソフトやネットからダウンロードしたソフト等はすべて入れ直しである。

③ 再インストール時の初期設定

自分で各種設定を変更したり、相性の悪いソフトを導入して動作不安定・不調になった場合は、システムの復元を試みればほぼ復元できる。

HDDが壊れたような場合は、工場出荷時に戻す再初期化になってしまい再インストールリカバリーすることになる。しかし、常日頃から適切なバックアップを取ってあれば、突然起動しなくなってもOSの再インストールをしてリカバリーすれば問題はないが、バックアップを取ってない場合は、新規購入と同じ「パソコンの状態」にしか戻せない。バックアップのある場合は、②と同じ状況である。

ここで問題になるのがパソコンの基礎知識である。初心者は先ず半年も経たないうちに、画面が固まった、起動不能になったなどのトラブルを経験することになる。

そして、天下の宝刀の如く、「電源スイッチの長押し」で何度も問題解決をしようとする。それがまた不調に拍車をかけることになるのも知らずに…。身近に詳しい人が居て使っていない場合、大変痛い目に遭うことになる。

そのような目に遭わないと勉強もしないが人の常かも知れない。そのためには、使い始めたら何をしなければいけないか、何を知らなけれないけないかを知ることである。この教室では、そのような基礎的なことから始まり、より便利な、より高度な技術を解説している。